料金表を書き込んだノートと、撮影の道具

値上げを、いつ、どう言うか

3 年おなじ金額でやっている。上げたいが、常連に言い出せない。伝える順番と時期を決めてしまえば、値上げは 1 通のメールで終わります。

3 年前に決めた 25,000 円で、いまも撮っている。機材は買い替えた。 移動も増えた。納品も丁寧になった。それでも 25,000 円のままです。

上げたい理由ははっきりしている。言い出せないだけです。

上げられないのは、値段の問題ではない

止まるのはたいてい常連のお客様の顔が浮かぶからです。 去年も一昨年も頼んでくれた人に、今年から高くなりますと言う。 その一言が重い。

ただ、値段を据え置くことは、その人だけを優遇する話ではありません。受けられる件数が減り、断る仕事が増え、最後は続かなくなります。 続かないほうが、常連のお客様にとっても困ります。

時期を先に決める

いちばんまずいのは、問い合わせが来てから値段を考えることです。 相手ごとに違う額を出すことになり、あとで辻褄が合わなくなります。

改定日を決めて、そこから逆算する。言い出すタイミングを自分で決められるようになります。

改定まで決める額と日付2 か月前サイトと SNS に出す1 か月前常連に個別で連絡改定日以降の申し込みから
予約済みのぶんは旧価格のまま。撮影日ではなく、申し込み日で分けます。

常連には、告知より先に個別で伝える

サイトの料金表を見て「上がってる」と知るのと、 事前にメールをもらうのとでは、受け取り方がまるで違います。後から知ると、自分は知らされなかった側になります。

文面は短くていい。長く書くと言い訳に見えます。

書くこと例
いつから1 月 1 日のお申し込み分から
いくらに出張撮影 25,000 円 → 30,000 円
いまの価格で頼める期限12 月中にお申し込みいただいたぶんは現行料金

3 つめを必ず入れてください。「いまなら間に合う」という形になり、知らせが悪い報せだけで終わりません。

理由は、書かないほうが伝わる

「機材の更新費がかさみ」「物価の上昇もあり」と並べたくなりますが、相手が知りたいのは額と日付だけです。

理由を長く書くほど、「では理由が無くなれば下がるのか」という話になります。 一行で足ります。「来年より料金を改定いたします」。

いくら上げるか

小刻みに上げると、そのたびに告知することになります。2 年は動かさずに済む額にしてください。

刻みを大きくしすぎない

25,000 円を 50,000 円にすると、値上げではなく別のサービスに変わったように見えます。2 割前後までが、同じものの値段として受け取れる範囲です。

内容を変えるなら同時に

納品枚数を増やす、アルバムを付ける、撮影時間を延ばす。何かを足して上げるほうが、説明が要りません。値段だけ動かすより、先方も納得しやすい。

額そのものの決め方は 写真 1 枚の値段は、逆から決める に書きました。欲しい年収から割り戻すと、いま足りていない額が出ます。

離れる人は、いる

値上げをすれば何人かは来なくなります。これは避けられません。

ただ件数が 2 割減っても、単価が 2 割上がれば売上は変わりません。撮影の回数は減るので、1 件にかけられる時間はむしろ増えます。

値段で離れる人が全員いなくなるわけでもありません。去年の写真が気に入っている人は、5,000 円では動きません。

料金表を 1 か所にまとめておく

改定のときにいちばん効くのが、料金の書いてある場所が 1 か所かどうかです。

サイト、SNS のプロフィール、過去の投稿、配った紙。 どこか 1 つ古いまま残ると、「25,000 円と書いてありましたが」と言われます。 書き換える場所を最初から減らしておく。詳しくは 料金をサイトに出す、出さない に書きました。