ファインダーをのぞく手元と、レンズに映り込んだ光

選んでもらうときの、枚数の出し方

300 枚をそのまま渡すと、選ぶのに 1 か月かかります。先に絞るのは手抜きではなく仕事のうち。何枚まで見せるか、どう並べるか、いつまでに選んでもらうか。

撮影で 800 枚。ピントと目つぶりを外して 300 枚。「この中からお選びください」と渡します。

そして 3 週間、返事が来ません。

選べないのは、相手のせいではない

300 枚の中から 10 枚を選ぶというのは、300 回の判断ではなく、比べ合わせる作業です。似た構図が 5 枚並んでいれば、その 5 枚をどう見分けるかから始まります。

しかも相手は写真のプロではありません。「どれも同じに見える」は、率直な感想です。

ここで止まると、納品が止まり、入金も止まり、催促する役目まで こちらに回ってきます。枚数を決めるのは、自分の仕事を守る話でもあります。

先に絞るのは、手抜きではない

「全部お見せするのが誠実」と思うと絞れなくなります。逆です。絞るところまでが、撮る側の仕事です。

似た構図から 1 枚を選ぶのは、こちらのほうが速くて正確です。 表情の良し悪し、手の位置、背景の写り込み。プロが 3 秒で判断できることに、相手は 3 分かけます。

1撮影 800 枚(全部)2失敗を外す 300 枚(ピント・目つぶり)3似た構図を 1 枚に 120 枚 ← ここまで撮る側4お客様が選ぶ 10〜30 枚
最後の 1 段だけをお客様にお願いする。そこまでは撮る側で落とします。

見せる枚数の目安

撮影の種類見せる枚数理由
七五三・お宮参り80〜120 枚場面が限られる。多くしても同じ構図が増えるだけ
家族写真・記念撮影60〜100 枚1 時間の撮影なら、この範囲に収まる
結婚式300〜500 枚時間が長く場面も多い。ここは減らしすぎると抜けが出る
プロフィール・宣材30〜50 枚使うのは 1〜2 枚。多いほど迷う

迷ったら少なくしてください。「もっと見たい」と言われたら 追加で出せば済みます。多すぎて止まった場合は、こちらから何もできません。

並べ方で、選びやすさが変わる

撮った順に並べる

良い順に並べ替えたくなりますが、時系列のほうが選びやすいです。相手は当日を思い出しながら 見るので、記憶の順に並んでいるほうが辿れます。

似た構図を続けない

同じ構図が 3 枚続くと、そこで比較が始まって止まります。1 枚に絞ってから並べてください。

縦と横を混ぜない

一覧で縦横が入り混じると、目が上下に振られて疲れます。細かい話に 見えますが、100 枚並ぶと効いてきます。

期限を先に言う

「お好きなときに選んでください」は、いつまでも選ばれないという意味になります。

「◯月◯日までにお選びください」と、渡すときに言う。 理由も添えると角が立ちません。

  • 「データのお預かりが◯日までのため」
  • 「アルバムの仕上がりが◯日になりますので」
  • 「年賀状に間に合わせるには◯日が締切です」

期限が来ても選ばれないときのために、「選ばれなかった場合はこちらで◯枚お選びします」と決めておくと、こちらが止まらずに済みます。

選ぶ人が 1 人とは限らない

七五三なら、お母さん、おばあちゃん、ご主人。関係者が増えるほど決まりません。

リンクで共有できる形にしておくと、それぞれが自分の端末で見られます。集まって 1 台の画面を囲む必要がなくなるだけで、何日か縮みます。