撮影料 30,000 円で、データは全部渡すのか。 10 枚だけ渡して、残りは追加で買ってもらうのか。
どちらにも詰まり方があります。「どちらが儲かるか」より「どちらの面倒なら引き受けられるか」で決めたほうが、後で楽になります。
全部込みにする場合
良いところ
- 説明が 1 行で済む。「撮った分は全部お渡しします」
- 追加請求が無いので、金額の話が撮影前に終わる
- 納品が速い。選んでもらう時間が要らない
詰まるところ
失敗カットまで渡すことになります。目をつむっている、ピントが甘い、構図を外した。 そういうものが混ざったまま手渡されると、 「この人の写真はこんなものか」という印象が残ります。
選別してから渡す運用にすると、今度は選別の手間が全部こちらに来ます。200 枚から 80 枚に絞る作業を、撮影のたびに無償でやることになります。
そして単価が撮影料に埋まるので、上げにくい。「今年から 35,000 円です」は言いにくいですが、 「追加は 1 枚 500 円です」なら受け入れられやすい。
選んでもらう場合
良いところ
- 欲しい人だけが追加で払うので、押し売りにならない
- 撮影料を据え置いたまま、1 件あたりの売上を伸ばせる
- 全部渡さないので、失敗カットを見せずに済む
詰まるところ
「結局いくらになるの」と聞かれます。ここに答えられないと、その場で決まりません。 まとめ買いの価格や全データの価格を先に用意しておく必要があります。
それと選ぶ手間をお客様にお願いすることになります。150 枚から選ぶのは、楽しい作業でもあり、面倒な作業でもある。 小さいお子さんがいる家庭だと、後回しになりがちです。
間を取る ── 何枚か込みにする
実務で一番収まりがいいのは、この形だと思います。
| 内容 | |
|---|---|
| 撮影料 | 30,000 円(データ 10 枚込み) |
| 追加 | 1 枚 500 円 |
| 10 枚パック | 4,000 円 |
| 全データ | 25,000 円 |
こうすると、両方の悪いところが薄まります。
- 必ず 10 枚は受け取れるので、損した感じがしない
- 追加は欲しい人だけ。売り込む必要がない
- 「全部欲しい」人には全データ価格という出口がある
- 失敗カットは選択肢に入れなければいい
込み枚数は何枚が適当か
「これだけあれば最低限は足りる」枚数にします。 少なすぎると、追加購入が前提に見えて印象が悪い。 多すぎると、追加を買う理由が無くなります。
家族写真なら 5〜10 枚、七五三なら 10 枚前後。 記念写真は「飾る 1 枚」と「送る数枚」が要るので、 そのあたりを想定して決めると外しません。
決めたら、撮影前に伝える
一番まずいのは、納品してから「追加は有料です」と伝えることです。全部もらえると思っていた人にとっては、後出しに見えます。
見積もりや申し込みの時点で、込み枚数と追加の単価を書いておく。 それだけで、納品後のやりとりが静かになります。
この記事は、写真の納品・販売サービス Utsurie(うつりえ) が書いています。込み枚数を設定して、その範囲内なら代金が発生しない 形にも対応しています。関連して 写真 1 枚の値段をどう決めるか もあわせてどうぞ。